遥か、もち巾着。

もしもって思ったら何かが変わるわけでもないし

さよならをもう一度(院試日記 20日目)

大学の定期演奏会が中止になった。こうなるだろうと予期してはいたもののいざ公式な発表が出されると「嗚、本当になくなったんだ」とショックを受けるものである。ブラームスの2番、吹きたっかたなあ。

しかしまあ疫病がなく、予定通り練習が始まっていたら今以上に勉強をしていないかもしれないと思うと、皮肉にもこの外出自粛は怠惰な自分を机に向かわせることにつながってしまっていることになる。いやはや。

そういうわけでぼくの夏は消えた。そっとブライトコプフのスコアに別れを告げた。

 

院試も問題だが5日後に迫った卒論作成演習の発表のほうが問題である。英語文献を何とか一通り読み終えたのが昨日である。ドイツ語の文献をひいひい言いながら読んでいたせいで、英文は相対的に易しく思えて感動した。大体の単語の意味を知っているのだ。語彙って大事ですね。

読まねばならない文献はまだまだあり、机の傍らには基礎文献やら論集やら同時代資料の復刻やら思想関係の専門書やらが堆く積み上げられている。さながら九龍城である。ぼくの生まれたころにはすでに香港は英国のものではなかったのだが、それでもそのイメージは2階建ての路面電車であり、啓徳空港に離着陸する航空機であり、スターフェリーであり、九龍城であるあたり、だいぶステレオタイプに影響されている。昨今の香港はもはやそんな気楽なイメージで見るわけにもいかないのだろうな、と思いつつぼくは6畳間の九龍城の解体にかかった。

 

今日の記録(5/28)

研究関係 6h