遥か、もち巾着。

もしもって思ったら何かが変わるわけでもないし

身に付けなくてよかった能力

もし「お前は努力したことがないのか」と訊かれたら、否定できるかぼくは怪しい。努力らしい努力をしたためしがないのだ。

大学受験で夜十時半まで勉強していた時期はまあ努力していたのだろう。しかし、問題集を完全に終わらせることはできなかった。第一、ろくに受験勉強を始めたのが高三の八月なのも遅い。

しかしそれはまだ努力したうちに入るだろう。その他の事項で嫌になる程努力したことがないのだ。課題、趣味、習慣…なんでもそうだ。そして幸か不幸か「なんとかなって」しまったのだ。

ぼくはテストもレポートも発表もだいたい一夜漬けでなんとかしてきた。そして、痛い目にあうこともなかった。それに味をしめてしまったのだ。何事もギリギリのところでなんとかする能力だけが身についた。

 

一度、早いうちに失敗しておくべきだったのだろう。そうすれば少しは改善しようとしたのだろう。

 

しかし、なんとかなってしまった。もうここまできてしまったら、失敗することは許されないことばかりだ。そのうち社会に出ていく身である。行動には将来が大きく関わる。

 

とりあえず、さっさと目先のレポートを終わらせることに集中しようと思った。