遥か、もち巾着。

もしもって思ったら何かが変わるわけでもないし

院試日記

ご報告(院試日記Ⅱ 後日譚)

大学院博士課程、合格しておりました。合格発表の日、僕自身は東京におり、さらに弊学弊研究科はホームページに合否を掲示してくれないため、怯えながら美術館や演奏会に行っておりました。晩に一緒に博士の試験を受けた方から合否の掲示の写真をいただき、…

院試のあとで

去る2月2日、無事(?)大学院入試を終え、今日は一日中ダラダラと過ごしていた。 2月はなんだかんだ忙しく、今後会期終了の迫る李禹煥展に行く時間が無さそうなことに気づき、今日行っておけばよかったと後悔している。 さて院試だが、筆記試験は例年通りの…

古き、悪しき歌よ(院試日記Ⅱ 16日目)

博士の試験が明日に迫る。その実感はあるのだが、妙に緊張感がないというか、ふわふわした気持ちになる。その一方で急に吐き気を催したりしているあたり、意外と心の底では緊張しているのかもしれない。 最後にもう一度過去問でも解いてみようと思い、時間通…

古いお伽噺から手招きする(院試日記Ⅱ 15日目)

奨学金の申請書を急いで出し、そのまま研究室で夜まで勉強をした。準備期間の短さと勉強時間の少なさの割には、読む予定でいた文献は読み終えられたのでちょっと自信になった。今日のドイツ語の文章は割とすらすら読めたこともあり、少々気分が良い。しかし…

ぼくは夢の中で泣いた(院試日記Ⅱ 13日目)

(1/29分の記録です) 本日はオーケストラの練習でほぼ一日潰れてしまうため、勉強は出来なさそうだ。本当は早起きして独分和訳の一題でも解いてから行こうと思っていたのだが、昨晩気絶したように眠ってしまい、起きたら遅刻寸前の時間だったのだ。 練習場…

光輝く夏の朝に(院試日記Ⅱ 12日目)

予定通り早朝に家に帰投し、一休みしてから大学へ向かう。深夜から朝にかけてそれなりの雪が降ったようで、あちらこちらに3センチばかりの雪が積もっている。学食の前の芝生では子供たちが雪遊びをしており、立派な雪だるままで出来上がっている。年に数回の…

歌の響きをぼくが聴けば(院試日記Ⅱ 10日目)

心理状態の振れ幅の制御が効かないので、今日も1日の半分を漠然とした絶望感の中過ごしていた。院試の勉強が厭になる、ということは本心では自分には進学の意図がないのではないか?と疑いたくもなる。これはある意味では正しいのだろう。やりたいことなんて…

あれはフルートとヴァイオリン(院試日記Ⅱ 9日目)

本日(1/25)は修論の口頭試問。前日までは、いや開始1時間前までは余裕綽々だったものの、いざ試問会場のドアを開けるタイミングになるとひどく緊張してしまう。 修士論文の内容について、3名の教授から質問や感想、意見をいただく。やっていることはゼミで…

そして小さな花々が知ったならば(院試日記Ⅱ 8日目)

北摂に、おそらく今年はじめての雪が舞った。仮にも信州人なので、(育った街は県内ではあまり雪の降らない地域とはいえども)べつに雪は大して珍しくはないのだが、それでも少し心が弾んでしまう。つくづく、僕は単純にできていると思う。 大雪で阪急やモノ…

ぼくは恨まない(院試日記Ⅱ 7日目)

今日は昼に修理に出していた楽器を引き取りに神戸に行き、その後ドイツ語の演習を受けていた。修理に出した先のお店は阪神沿線にあるのだが、阪急宝塚線沿線に暮らす自分にとっては実際の距離以上に遠いような気がする。大阪から尼崎、西宮、芦屋を経て神戸…

ラインに、その神聖なる流れに(院試日記Ⅱ 6日目)

午前中に予定があると否が応でも起きねばならないので、怠惰な人間にとっては有用である—尤も、寝坊の危険が伴うが。 今日は午前中にロシア語の読書会があったため、起きたら昼!という悲劇を免れることができた。現在はゆっくりではあるがツルゲーネフの短…

ぼくの心を沈めたい(院試日記Ⅱ 5日目)

後ろの座席の方から下品な笑い声が聞こえて来る。僕は今、名古屋から大阪に向かう近鉄特急に乗っていた。実際の声量以上にうるさく聞こえる団体客が同じ車両に乗り合わせていたのは失敗だった。仕方がない。座席を取るときにそれはわからないのだし、彼らに…

ぼくが君の瞳を見つめれば(院試日記Ⅱ 4日目)

またしても生活習慣が崩壊してしまい、起きたら昼を回っていた。今日は研究室に顔を出すつもりだったのだがちょっと厳しそうだ。起きるのが少し遅くなるだけで、家を出るのは一気に億劫になる。 5時過ぎ、ようやく家を出た。大阪フィルの定期を予約してあっ…

薔薇も百合も鳩も太陽も(院試日記Ⅱ 3日目)

去る秋のこと、新国立劇場の舞台の演目に『レオポルトシュタット』なる作品を見つけた。世紀末から第二次世界大戦後までのウィーンのあるユダヤ人一家を描いた芝居、ということで大変興味をそそられた。日程が合えば観てみたかったのだが、あいにく東京行き…

ぼくの涙から芽生えるは(院試日記Ⅱ 2日目)

一昨日から自宅のWi-Fiが急に使えなくなり、ここ2日ルーターを再起動したりモデムを再起動したり色々弄ってもなかなか直らなかったのだが、今日もう一度試してみたら復活した。本当になんだったのだろう。ネット環境がなくなるのは単に不便なだけではなく、…

素晴らしく美しき五月に(院試日記Ⅱ 1日目)

目が覚めたら昼過ぎだった。今日は早起きするぞ、と思っていたのにやっぱり寝坊してしまったのだ。結局昨晩もなかなか寝付けず、朝になってようやく眠りについたのだから自業自得である。午後にゼミがなければ夕方寝ていた可能性すらあると思うとゾッとする…

Muss es sein?(修論日記 15-16日目)

土曜日に、知人の誘いでミラン・クンデラの研究会に参加した。参加、と言っても僕はただの読者に過ぎないので、研究者の方々の話を只管に聞いていただけではあるが。 さて、クンデラという小説家を好きか、という問いに誠実に答えるのは、僕にとっては難しい…

文系大学院(文学部・文学研究科)受験記録

世の中にあんまり文学研究科の院試体験記ってないなあ、と思ったので記録しておきます。半分は自己顕示欲の塊みたいなもんですが、半分は不安に駆られて「文学部 院試 勉強」などと検索した人を想定して書いています(自分がそうだった)。ちなみに専門分野…

ご報告(院試日記 後日譚)

大学院、無事合格していました。準備期間はそれなりにあったはずなのにあっという間に終わってしまい、ちょっと拍子抜けしている面もあります。大事なのはこれからですが、ひとまず来年度から身を置く場所がきちんと決まったことを祝してピルスナーウルケル…

ひと段落(院試日記 137日目)

夜9時に布団に入ったのに少しも眠れなかった。たぶん、深夜2時までは起きていたと思う。筆記試験が朝9時から始まることを思うと寝坊する危険すらある時間だ。本当は早めに起きて軽く勉強するつもりだったのに、結局朝6時と言う至極真っ当な時間に起床した。 …

宣告を待ちながら(院試日記 136日目)

台風12号は大阪をそれ、東日本方面へと向かっている。院試は傘なしで済みそうだ。 いよいよ、明日なのである。正直全く勉強が身に入らない。今更何をやっても……と半分諦念を覚えている。専門に関しては古代ギリシャから21世紀までの長い時代のうちどこから出…

時の過ぎゆくままに(院試日記 134,135日目)

我が家の壁に掛けてある時計には"As Time Goes By"と書かれている。 時は流れ、いつのまにか季節は秋になった。やっと大好きなベレー帽を解禁できることに喜び、コンビニでクリスマスチキンの予約の紙を見かけて「あまりに早くはないか」と思う今日この頃で…

カウントダウンがはじまる(院試日記 122-133日目)

悠々とブログを更新している余裕が時間的にも心の上でも無くなっていた。院試まで10日を切り、1週間を切りとしているうちに慌て始め、美術史を必死で詰め込んだり、英語を泣きたい気持ちで読んだり、独語をさらい直したりしているうちに急に糸が切れたように…

人間らしい生活(院試日記 119-121日目)

日を跨がないうちに寝て太陽が東にあるうちに起きるという人間らしい生活を最近できずにいる。そもそものリズムが崩れているせいで早く布団に入ってもなかなか眠れず、深夜に目が覚めてしまう。そしてそのまま起き続け、午前中に仮眠をとる、という不摂生な…

驟雨と日照の間で(院試日記 117,118日目)

生活リズムが狂う日、すなわち朝寝坊する日に限って可燃ゴミの日なのは何かの因縁なのだろうか。まあこれは単なる言い訳に過ぎない。第一、多少遅く起きてもごみ収集車はまだ来ていないのだから。来週1週間は大阪市内の博物館で朝から研修だというのに、これ…

涼を求めてシベリウス(院試日記 116日目)

昨日は夜眠れなかったので朝に仮眠をとって活動した。眠気は残るが午前中に勉強を始められたのでよしとしよう。 日中は研修に必要な学研賠の申請をしたのち研究室に置いていた本を取りに行き、ついでに図書館で本を借りた。パノフスキー、ヴェルフリン、ゴン…

そして夏が終わる(院試日記 106-115日目)

米澤穂信はぼくの好きな作家のひとりである。その中でも特にお気に入りの作品が『夏期限定トロピカルパフェ事件』。夏期限定トロピカルパフェ事件 - 米澤穂信|東京創元社かわいらしい表紙を纏いつつここまで苦くざらざらとした読了感を抱かせるとは、なかな…

出願(院試日記 103-105日)

研究概要と志望理由書を書き終え、20日に無事出願書類を送付した。ひとまず受験前にやるべきことは終えたことになる。プレッシャーに弱いが故、出願したその日は何度も吐き気に見舞われ、口から胃液混じりの泡を吐き、その後泥のように眠った。机の周りには…

無駄足(院試日記 98-102日目)

研究概要をあらかた書き上げ、レポートを終わらせてなんとか一息つけそうである。 さて去る日曜日にエンゲルスの『住宅問題』が必要となり、図書館に借りに行くことにした。大学図書館は休みな上に返却を滞納したせいで数日間貸し出し禁止のペナルティを食ら…

米が尽きた(院試日記 84-97日目)

ご無沙汰しております。 集中講義やらレポートやら院試の研究概要やらでてんやわんやしていたら2週間も更新をしていなかった。いまいちど「日記」の意味を新明解国語辞典かなんかで引き直した方が良さそうだ。 大学で成績証明書と卒業見込み証明書を発行し、…