遥か、もち巾着。

もしもって思ったら何かが変わるわけでもないし

音楽

難儀

多くの知人が参加しているオーケストラの演奏会を聴きに行った。 その帰り、僕は死にたい気持ちになった。演奏が悪かったのではない。むしろ、大変素晴らしいものだった。高い精度まで洗練されたアンサンブル、個々の技術、熱量、どれをとってもアマチュア・…

アマオケざっくばらん

世は大アマオケ時代……と言えるかどうかはさておき、本邦には多数のアマチュア・オーケストラが存在する。ここ2年は演奏会の開催どころか練習さえままならぬオーケストラも多かったと思うが、今日も演奏会情報を調べればどこかしらのオケが本番を控え、Twitte…

G管バストロンボーン

G管バストロンボーンという楽器がある。現在のバストロンボーンはテナートロンボーンと同じB管を基本とし、そこに2つないしは1つのバルブを付けることで低音域を可能としている。しかし、そもそものバストロンボーンはF管の楽器であり、故に長いスライドを備…

チェコフィルの《我が祖国》で辿るチェコ(チェコスロヴァキア)史

アール・ヌーヴォーの旗手として名高いチェコ生まれの画家・デザイナー、アルフォンス・ムハ(ミュシャ)は《チェコ音楽の殿堂》という絵を残している。 アルフォンス・ムハ《チェコ音楽の殿堂》1929、 977×1229mm、油彩、個人蔵 ベドジフ・スメタナは中央に…

ステンハンマル記録帳

保有するヴィルヘルム・ステンハンマル(ステーンハンマルとも)作品のディスコグラフィ的なものです。気が向いたら随時説明・感想も書いていきます。内容について、ほぼ個人の感想となっていることはご了承ください。 なお作曲年はhttps://www.swedishmusic…

音楽における「うた」

ここしばらくバストロンボーンを吹けていなかったのでオクラミュートをつけて吹いてみた。消音能力についてはかなりのものだしその割には音程も狂わず抵抗も程よいのだが、いかんせんなれていないので発音はブレるし音も当てにくい。これはミュートのせいと…

来期のスコア

バイトから帰ってくると郵便受けに白い大きな封筒が挿さっていた。次の定期演奏会で演奏するブラームスの交響曲第2番のスコアが届いたのだ。 品のいい薄い空色の表紙をしたブライトコプフ・ウント・ヘルテル社のスコアを見るだけで心は躍る。中を展くと生真…

ドホナーニの交響曲第2番に思うこと

今年に入ってからショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」とプロコフィエフの交響曲第5番の実演に相次いで触れる機会があった。両者はともに第二次世界大戦中に書かれた交響曲である。前者は戦争をかなり直接的に描写しているし、後者もプロコフ…

レニングラード交響曲

ある人は傑作と称え、ある人は単なるプロパガンダと見る作品。ドミトリー・ショスタコーヴィチの《交響曲第七番『レニングラード』》はそう言って良いだろう。 去る日曜日のことだ。京都市交響楽団が「レニングラード」を演るというので足を運んだ。指定ので…

悲愴交響曲

《交響曲第六番「悲愴」》はチャイコフスキーの白鳥の歌となった交響曲だ。その曲調と遺作という事実が人々に様々な想像を駆り立て、学術的研究から俗説まで多くの議論がなされてきた曲でもある。 さて、それはともかくとしてこの曲はぼく自身にとっても大事…

未完成交響楽

大阪フィルの定演でシューベルトの「未完成」を演る、ということで足を運んだ。前半はラヴェルの《マ・メール・ロワ》、《ラ・ヴァルス》の間に今回タクトを執るハインツ・ホリガー作曲《エリス》のピアノ独奏版と管弦楽版を共に挟み、後半はシューベルトが…