遥か、もち巾着。

もしもって思ったら何かが変わるわけでもないし

2020-01-01から1年間の記事一覧

文系大学院(文学部・文学研究科)受験記録

世の中にあんまり文学研究科の院試体験記ってないなあ、と思ったので記録しておきます。半分は自己顕示欲の塊みたいなもんですが、半分は不安に駆られて「文学部 院試 勉強」などと検索した人を想定して書いています(自分がそうだった)。ちなみに専門分野…

ご報告(院試日記 後日譚)

大学院、無事合格していました。準備期間はそれなりにあったはずなのにあっという間に終わってしまい、ちょっと拍子抜けしている面もあります。大事なのはこれからですが、ひとまず来年度から身を置く場所がきちんと決まったことを祝してピルスナーウルケル…

ひと段落(院試日記 137日目)

夜9時に布団に入ったのに少しも眠れなかった。たぶん、深夜2時までは起きていたと思う。筆記試験が朝9時から始まることを思うと寝坊する危険すらある時間だ。本当は早めに起きて軽く勉強するつもりだったのに、結局朝6時と言う至極真っ当な時間に起床した。 …

宣告を待ちながら(院試日記 136日目)

台風12号は大阪をそれ、東日本方面へと向かっている。院試は傘なしで済みそうだ。 いよいよ、明日なのである。正直全く勉強が身に入らない。今更何をやっても……と半分諦念を覚えている。専門に関しては古代ギリシャから21世紀までの長い時代のうちどこから出…

時の過ぎゆくままに(院試日記 134,135日目)

我が家の壁に掛けてある時計には"As Time Goes By"と書かれている。 時は流れ、いつのまにか季節は秋になった。やっと大好きなベレー帽を解禁できることに喜び、コンビニでクリスマスチキンの予約の紙を見かけて「あまりに早くはないか」と思う今日この頃で…

カウントダウンがはじまる(院試日記 122-133日目)

悠々とブログを更新している余裕が時間的にも心の上でも無くなっていた。院試まで10日を切り、1週間を切りとしているうちに慌て始め、美術史を必死で詰め込んだり、英語を泣きたい気持ちで読んだり、独語をさらい直したりしているうちに急に糸が切れたように…

人間らしい生活(院試日記 119-121日目)

日を跨がないうちに寝て太陽が東にあるうちに起きるという人間らしい生活を最近できずにいる。そもそものリズムが崩れているせいで早く布団に入ってもなかなか眠れず、深夜に目が覚めてしまう。そしてそのまま起き続け、午前中に仮眠をとる、という不摂生な…

驟雨と日照の間で(院試日記 117,118日目)

生活リズムが狂う日、すなわち朝寝坊する日に限って可燃ゴミの日なのは何かの因縁なのだろうか。まあこれは単なる言い訳に過ぎない。第一、多少遅く起きてもごみ収集車はまだ来ていないのだから。来週1週間は大阪市内の博物館で朝から研修だというのに、これ…

涼を求めてシベリウス(院試日記 116日目)

昨日は夜眠れなかったので朝に仮眠をとって活動した。眠気は残るが午前中に勉強を始められたのでよしとしよう。 日中は研修に必要な学研賠の申請をしたのち研究室に置いていた本を取りに行き、ついでに図書館で本を借りた。パノフスキー、ヴェルフリン、ゴン…

そして夏が終わる(院試日記 106-115日目)

米澤穂信はぼくの好きな作家のひとりである。その中でも特にお気に入りの作品が『夏期限定トロピカルパフェ事件』。夏期限定トロピカルパフェ事件 - 米澤穂信|東京創元社かわいらしい表紙を纏いつつここまで苦くざらざらとした読了感を抱かせるとは、なかな…

出願(院試日記 103-105日)

研究概要と志望理由書を書き終え、20日に無事出願書類を送付した。ひとまず受験前にやるべきことは終えたことになる。プレッシャーに弱いが故、出願したその日は何度も吐き気に見舞われ、口から胃液混じりの泡を吐き、その後泥のように眠った。机の周りには…

無駄足(院試日記 98-102日目)

研究概要をあらかた書き上げ、レポートを終わらせてなんとか一息つけそうである。 さて去る日曜日にエンゲルスの『住宅問題』が必要となり、図書館に借りに行くことにした。大学図書館は休みな上に返却を滞納したせいで数日間貸し出し禁止のペナルティを食ら…

米が尽きた(院試日記 84-97日目)

ご無沙汰しております。 集中講義やらレポートやら院試の研究概要やらでてんやわんやしていたら2週間も更新をしていなかった。いまいちど「日記」の意味を新明解国語辞典かなんかで引き直した方が良さそうだ。 大学で成績証明書と卒業見込み証明書を発行し、…

再起(院試日記73-83日目)

ここ1週間あまり、心がしんどかったのでほぼ勉強ができていません。いやほぼ言い訳になるといえばそうなのだが。 連休で講義がないのも災いして完全に昼夜は逆転し、部屋は少しずつ荒れ、そんな状態なのにほぼ4ヶ月ぶりに演奏会に出かける始末。正直もうこの…

チェコフィルの《我が祖国》で辿るチェコ(チェコスロヴァキア)史

アール・ヌーヴォーの旗手として名高いチェコ生まれの画家・デザイナー、アルフォンス・ムハ(ミュシャ)は《チェコ音楽の殿堂》という絵を残している。 アルフォンス・ムハ《チェコ音楽の殿堂》1929、 977×1229mm、油彩、個人蔵 ベドジフ・スメタナは中央に…

「本格派ピロシキ」(院試日記 72日目)

大阪に越してきた1年目の夏、朝に聞こえる蟬の声が信州のそれとは違うことに驚いた。長野県においては夏の朝に鳴く蟬はみんみん蟬だと相場が決まっていた。ところが関西ではジャアジャアという声が聞こえるのである。ああ、これが熊蟬の声なのか—そう思った…

肝心な時に限って眠くない(院試日記66-71日目)

ここ3ヶ月、スーパーと研究室にたまに行く以外の外出をほぼしていないため世間がどう動いているかこの目で見ていなかったのだが、いざ街に出てみると思いの外日常が回帰していることに驚きを隠せない。駅は平時と同様に人で溢れ、商店街もいつも通り営業して…

丼の中のボロネーゼ(院試日記 63-65日目)

生活が崩れ出すとまず水回りが汚くなるらしい。なるほど、と思った。気づくとトイレには黒ずんだ汚れがつき、風呂場の排水口には髪の毛がこびりつく。ここ最近続いた雨を理由にして洗濯物も溜めてしまっている。食器は溜まってはいないが、それは最近食事を…

お金で手に入る幸福(院試日記 57〜62日目)

人間「明日から頑張ろう」と思っていると10日くらい経っていることがしばしばである。10日というのは1ヶ月の3分の1に相当する。ちょっと前に7月に入ったばかりだと思っていたのに。 勉強時間が足りていないのは明白だが、質も明らかに良くない。鉛筆を動かし…

変容(院試日記 54,55,56日目)

大学図書館の前に1台のごみ収集車が停まっていた。その光景は特段不思議なものでは無いのだが、少し注意して見たところ思わず目を丸くしてしまった。 ごみ収集車に飲み込まれているのは本だったのだ。 そうか、廃棄図書はこうやって処分されていくのか—と思…

焦ったところで(院試日記 53日目)

「7月」という字面は「6月」のそれより夏を感じさせるものだ。6月30日と7月1日との間には大きな空白地帯があるのではないか、という気さえしてくる。しかし時間は一定に流れ、6月29日から30日になるのと同じ具合に当たり前に7月1日もやってくる。 7月初めの…

上半期が終わる(院試日記51,52日目)

朝、小雨だったので傘をさして散歩に出かけたら大雨になってしまった。ずぶ濡れである。いやはや梅雨はほぼ明けたとばかり思っていたのだが。そんなことより今年、つまり2020年が半分終わった。齢を重ねるごとに時間は短く感じるものだが、4月以降ほぼどこに…

半月とマズルカ(院試日記46〜50日目)

ちょっと休んでました。別に勉強をさぼっていたわけでもないし生活が荒んでいたわけでもない。昼夜逆転を改善しようと1週間かけて色々試していたら結果的に更新する時間がなくなっていたのが理由。まあこんなちまちま書いてるブログを心待ちにしている人はい…

ステンハンマル記録帳

保有するヴィルヘルム・ステンハンマル(ステーンハンマルとも)作品のディスコグラフィ的なものです。気が向いたら随時説明・感想も書いていきます。内容について、ほぼ個人の感想となっていることはご了承ください。 なお作曲年はhttps://www.swedishmusic…

1953年、モスクワ 。(院試日記 45日目)

ぼくはモスクワ のバウハウスにいた。1933年にナチの圧力で閉校したバウハウスは戦後、ソヴィエト連邦・モスクワに移り蘇生していた。ぼくはそこに1953年から55年にかけて在籍していた。教員陣はカンディンスキー、モホリ=ナジ、アルバースらのドイツ時代の…

4年間の休息(院試日記 43,44日目)

大学生活の意味を学業や研究以外に費やすことは真面目な学生からしたら許し難いことなのかもしれないが、個人的にはそれはそれでアリだと思う。そしてそんな大学生にちょっとした憧れさえ抱く。 勉強に疲れたので本棚にあった江國香織の『東京タワー』を適当…

「正しい」イコノクラスム?

英国・ブリストルで奴隷商人の銅像が引き倒されたニュースは我が国でも大きく取り上げられた。その動きはトマス・ジェファーソン像やジョージ・ワシントン像などに対しても広がり、放火や落書きの対象となっている。 肌の色による差別は許してはならないこと…

ただいま珈琲(院試日記 41,42日目)

今日は久しぶりに体の痛みが軽い。気怠さは拭えないが肩や腰が比較的楽なのはありがたいことだ。雨上がり、駅へと向かう足取りも軽い。 市役所へ行くのに久々に電車に乗った。自転車でもいけるような距離なのだが、今日はそういう気分だったのだ。阪急電車の…

北大阪奇譚(院試日記 38,39,40日目)

更新サボってました。いや、更新はサボってもいいのだが勉学が疎かになっていた。これはいけない。月曜日に久々に楽器のレッスンがあったり、その疲労で火曜日に寝坊をしたり、色々あった結果1日2,3時間程度の勉強しか出来なかった。いやいつまで言い訳して…

電子レンジで牛蒡を焦がした(院試日記 36,37日目)

まず断っておくと、院試日記のくせにこの週末はちっとも勉強していない。これは1つには歪んだ生活習慣を強制的な睡眠で矯正すると言う目的があり、もう1つには自分の意志の弱さがある。 金曜日はそこそこの時間には床に就き、目覚ましもきちんとセットしたの…